staff-ari のすべての投稿

「この人はきっと歩ける!」と介入前から退院後のADLが見えるようになり知った看護の楽しみ

主任

 
看護師になった頃は、同期の仲間に「患者さんに冷たいね」と言われていました。脳神経外科病棟で働いていましたが、同期の仲間は患者さんを『可愛い』だとか『愛しい』だとか言っていましたが、当初はその感覚がわかりませんでした。1年ほど経ち、ある患者さんとの関わりがきっかけで、看護の楽しみや喜びというものに気づくことができました。それは、高次脳機能障害や意識障害の患者さんとの関わりの中で、その人らしく退院後の生活ができるように介入していくことが大事であることを学べたことです。初めは私に寄りかかり、絶対に歩けないと思える患者さんでも、経験を積むごとに「いや、この人は歩ける、家に帰れる、食べることができる」と介入前から退院後のADLが見えるようになり、患者さんに必要な介入ができるようになってきました。その頃には、同期の仲間に「人と関わるのが本当は好きなのね」と言われるようになっていましたが、今、振り返ると、それぞれの人に、それぞれの関わり方ができる仕事だから看護師の仕事を続けているのだと思います。

スタッフにもその人らしさがあり、それぞれの成長機会を考え、看護の喜びを感じてもらいたい

私が看護をする上で大切にしていることは、以下の3つです。

  • 患者さんがその人らしく入院生活を過ごせるように環境を整え援助し、退院できるようにすること
  • ご家族が患者さんを見て安心できるような環境を提供すること
  • 患者さんの保清が保たれ、安楽に過ごすことができていること

看護の楽しみやこうした自分なりの看護観が醸成されたのも、先輩看護師からいろいろと教えてもらったからだと思っています。今、私は、主任としてスタッフをマネジメントする仕事をして1年3ヶ月が経ちます。主任になるまでは、例えば、落ち込んでいる後輩がいたら、話を聞いてあげるといった対応だけでも良かったのですが、今は、どうすればスタッフがやる気になり、パフォーマンスを上げていくかという視点で考えなければなりません。今のところは、私が先輩看護師にしてもらったように、少なくとも年下の看護師には看護の楽しみや喜びを感じてもらえるように、ロールモデルになりたいという気持ちで頑張っています。しかし、スタッフにもまた、その人らしさがあり、みんな私と同じではありません。経験年数の違い、持っているスキルの違い、それらを考慮してそれぞれの成長機会をどう提供していくかということが今後の私の課題と認識しています。

「自分のとっておきの看護」をお互い支援し合い、やりたい看護ができる職場にしていきたい

私自身の課題をしっかり認識したうえで、私は今いる職場を気持ちよく働ける職場にしたいという想いを持っています。思っていることが言える、やりたい看護ができる、そんな環境を作っていくことが私の役割と思っています。そのためにも、まず業務整理をきちんとしなければならないと思っています。負担が多いと、スタッフのモチベーションが下がるのは言うまでもありません。何が必要で、何が必要でないのかを整理することを常に意識していきたいと思います。スタッフがやりたい看護があるならば、それを実現できるように、他のスタッフが賛同する、手伝う、支援するような職場にしていきたいと思います。思っていることが言える関係が不可欠です。私は、職場でそれぞれのスタッフのナラティブ(語り)を共有していきたいと思っています。自分たちが、患者さんと関わる中で何を大切にしているのか、どんな時にやりがいを感じるのか、どんな患者さんにどんな風に関わったのかといったことを通じて「自分のとっておきの看護」をお互いに知り合うことで、それを実践できるような職場にしていきたいと考えています。

患者さんのニーズを理解し、自分で考えるようになり、看護師の仕事に楽しみが増えた2年目

入退院支援室

 
実は、私は看護師になろうと強い意志があったわけではなく、医療関係の中で自身が進学できそうな条件の中に看護師があったという理由で看護学校に進学しました。進学後も特に授業も面白いと感じていませんでした。そんな中、実習がはじまり実習での患者さんとの関わりの中で、この仕事の魅力に目覚めました。実習で担当した患者さんにはもともと強い不満があり、家族も実習生の介入を認めないという状況で大変難しいケースでした。この患者さんと関わることを通して、誠実に関わるとはどういうことか、学生ではあるが自分がやれることは何かを真剣に考える経験ができました。最終的には、患者さんが「学生だけれど、接してくれてよかった」と仰って下さり、心を開いてもらう糸口を知ることができたと思いました。そんないい経験をし、卒業後、看護師になりましたが、やはり本職になると仕事の量が一気に増えるので、業務を覚えること、こなすことが精一杯で、その人にとって必要なことを考えながら仕事をする余裕はありませんでした。1年、2年と経ち、先輩たちから認められて行く中で、患者さんのニーズを理解できるようになり、次第に発言する機会も増えてきました。患者さんのことを知り、どうすればよいかを考える余裕ができ、自分で考えることが楽しくなってきました。

患者さんに人として関わり、意思を尊重し、寄り添い、誠実さを大事にして看護をしていきたい

この仕事をする上で大切にしていることは、やはり、誠実さを大事にすることです。誠実さを大事にするということは患者さんを単に患者さんとみるだけでなく、人として見ることがベースです。そうすると、もっとこの人のことを知りたいと自然に思えるようになりますし、寄り添って考えることができるのです。ターミナルの患者さんで余命1ヶ月から2か月の50代の患者さんを受け持ったことがあります。このまま病院で治療を続けるのか、しかし、そうすると家族に会えない。家で過ごしたい、しかし、家から病院は遠い・・・。どうするか、とても悩まれていました。考えた末に、私は患者の意思をしっかりと聞いてあげる環境を整えることにしました。言葉にすることで考えが整理されていき、気持ちも楽になると考えたからです。長い時で1時間、短い時は顔を見る程度でも話す機会をたくさん作るようにしました。奥様ともできるだけ話す機会を作りました。結局、家で過ごすことを選ばれ、家族と一緒に、好きなところに行き、好きなものを食べることを楽しまれて、お亡くなりになりました。患者の意思を尊重し、それに向き合い、できる限りのことに対して誠意を持って取り組むことをこれからも大事にしたいと思います。

子育て中で大変だけれど、人が苦しい時にそばにいて支援できる看護師を続けていきたい

看護師の仕事の特徴は、人との関わりの中でも、とりわけ人が苦しい時に近くにいて支援することができることではないかと常々感じています。苦しい時は、人が最も辛い時であり、一般にはそのような方に関わる経験はめったに巡り合えません。しかし、これが私たちの日常で、そういう人の近くにいて支援ができるのはとても貴重な経験だと思います。支援していてもうまくいかずモヤモヤする時もたくさんありますが、それでも次にどうすればいいかを考えることに仕事に対する張り合いを感じますし、時に楽しくなる時があります。看護師になって10年を過ぎましたが、今、1歳半の子どもを持つ母親でもあります。今後、看護師としてどんなキャリアを積むかということは、今は、育児中なので考える余裕はありませんが、目の前にいる患者さんに誠実に向き合い仕事をし続けることを当面の目標にしたいと考えています。この病院では上司や仲間に恵まれ、とても働きがいを感じて働いています。最近、病気をしたこともあり、それも考慮の上で、仕事と育児の両立を配慮して頂き、働き続けることができているので、それに甘えることなく、仕事をし続けたいと思います。

仕事に大きな負荷を感じ、辞めようと思ったが、新人たちと関わり、一緒に頑張りたいと思った

整形外科

 
私は、人とコミュニケーションをとるのが大好きなので、人と直接関わることができる仕事に就きたいと考えていました。家族の入院がきっかけで、医療の知識を身に付けて、身近な人たちに役立ちたいと考えるようになり、中学生の頃には看護師を目指していました。看護学生の頃から感じていたことは、「看護師の仕事っていいなあ」という気持ちだけでは決してやっていけない仕事だということです。実際に、新人の頃は、病院で仕事、帰宅後に勉強、短い睡眠、病院で仕事・・・の繰り返しで、食事を取る時間もないくらい頑張っていたように思います。幸い、同期と一緒に励まし合いながら勉強してきたので、みんなで乗り越えることができました。ただ、仕事にも慣れてきた1年目の終わり頃にやることも増え、期待もされ、一人で患者さんを担当する責任感などの負荷を感じ、看護師を辞めようかと思ったこともありました。2年目に入り、そういったプレッシャーにも慣れ、新人が入職してきたことで私の中に変化がありました。1年前の自分を見ているようで、そんな新人に同じような思いはさせたくないという気持ちが芽生えました。新人が私を頼っていろいろと聞いてくれるうちに、一緒に頑張りたいと思うようになりました。

それぞれの患者さんしてあげられることを探し続け、一緒に一番辛い時を乗り越えたい

看護師の仕事の魅力は何と言っても、患者さんが一番辛い時に関わり、良くなっていくプロセスを一緒に歩むことができること、そして、喜びを分かち合えることだと思っています。もちろん、良くなった時の喜びは患者さんの方が大きいとは思いますが、私も負けないくらい嬉しい気持ちになっていると思っています。例えば、手術後の患者さんに私たちが出来ることは何かと考えても、何もできないと無力感を感じることはよくあります。患者さんが痛がっている、どうにもしてあげられない。もちろん、向きを変える、鎮痛剤を使うなどいろいろな工夫はします。それでも、痛みは取れない、一晩中唸っている。そんな状態の患者さんにどうにか寄り添いながら何かできるかを考え続けます。私が常々大切にしていることは患者さんに優しく声を掛けながら、しっかりと観察をして、その人に合わせた看護をしていくということです。話せる人、話したい人、そばにいるだけでいいという人、近くにいてほしくない人、頻回にコールを押す人・・・様々です。例えば、話せる人は、初めは痛みの話題が中心だったのに、いつのまにか痛みの話題はなくなり、普通に会話をしているといったこともあります。そんな経験も積み重ねながら、無力感を感じることはあっても、決してあきらめることなく、粘り強く、患者さん私ができることを探し続けていきたいと思います。

私を見守ってくれる先輩のように、後輩たちの成長の過程を見守り、共に成長していきたい

現在、入職6年目で、入職時よりずっと整形外科病棟で働いています。今後は、内科に関連する専門的なことをしっかりと勉強していきたいと考えています。私の所属する病棟の患者さんは高齢者が多いので、内科の疾患を持つ患者さんがたくさんいます。もちろん基本的なことはわかりますが、少し専門的なこと、経験が必要なことになるとやはり適切な助言ができないと感じることがあります。また、リーダーとしてメンバーに指示する立場でもあり、その必要性は感じています。様々な知識も身に付けて、患者さんに「辛い時に近くにいてくれた看護師」と思われるような看護師になりたいと思います。もちろん、誰しも病気にはなりたくないのは当然ですし、何度も何度も入院したくはないと思いますが、入院された時には、私たちの関わりで少しでもいいことがあったと思ってもらえるように関わっていきたいと思っています。この病院には、実習をしていた頃から私を見守ってくれている先輩がおり、部署は違っていてもいつも気に掛けて下さいます。私も、同じように、後輩たちの成長の過程を見守り、共に成長していきたいと思います。

「元気になりましょうね!」と患者さんに適している看護を探し、一緒に快方に向かうのが魅力

主任

 
私が看護師になったのは両親が看護師であることが影響しているとは思いますが、やはり、人の役に立つ仕事をしたいという想いが強かったからだと思います。整形外科の仕事を希望し、それ以来異動することなく13年目を迎えていますが、この仕事にとてもやりがいを感じながらこれまでやってきました。一言でいうと、入院時には全く元気がなく、弱っている状態の患者さんが見違えるような元気な姿で退院されるプロセスに関われるのが私の仕事の魅力だと思っています。例えば、神経麻痺で手足が動かない患者さんのリハビリテーションにおいて、離床するのが辛い状態の時は、気が滅入ってネガティブな気持ちになる方がたくさんいます。無理強いすることはしませんが、そんな時こそ、私は一つ前進したら「できましたね」、ほめた時にニコッとされたら「次はこれをやってみましょうか」と励ましながら、患者さんの状態をよく観察し、一緒に快方に向かうことを大切にしています。常に「元気になりましょうね!」の気持ちを持ちながら、患者さんと課題を共有し、患者さんの今に適している看護を探しながら歩むようにしています。

若い看護師達に、患者さんの退院時に看護の面白さを振り返り、達成感を感じてもらいたい

私は、主任という立場ですが、実は産休が明けて職場復帰して数か月なので、主任の役割を果たせているかというとまだまだこれからという状態です。メンバーとの関わりにおいては特に新人や2年目の看護師を気に掛けるようにはしています。特に、2年目の看護師は1人で患者さんを担当するので、様子を見ながら、指導するように心掛けています。患者さんの状態を見て、自分が立てたプランが合っているのかどうか、もし、変更が必要ならどのように変更すればいいのかといったことを自分で考えることを前提に指導するようにしています。その際に、正解をすぐに提示するような関わり方をせず、あくまでも、本人から考えを引き出していくようにすることを意識しています。答えが見つからずに、行き詰まった時は、患者さんの状態を再度共有し、情報提供をする中で、プランを一緒に考えるというスタンスで臨んでいます。特に、患者さんの退院後の生活をイメージして、プランを考えられるようになることを指導の中で目指していきたいと思います。若い看護師達には、自ら退院調整に関わり、患者さんの退院時に看護の面白さを振り返り、達成感を感じてもらいたいです。

みんなで協力し合い、余裕を生み出せる職場を実現し、病棟して看護の質を向上させたい

職場復帰して、ある認知症の患者さんと少し時間を取り、話す機会がありました。その患者さんはいつもイライラされている感じが見受けられたのですが、その時は患者さんの話をじっくり聞くことを意識しました。昔の仕事のこと、家族のこと・・・いろいろな話をされる中で表情がどんどん穏やかになっていく様子が窺えました。その後も、他の認知症の患者さんと関わりの中で感じたのですが、落ち着かない人には、じっくり話を聞いてあげて、付き添うことで穏やかになることを感じました。患者さんのナラティブ(語り)は、適切な看護の道筋を得ることもわかりました。こうした看護体験を職場で共有しながら、看護の質を向上させていきたいと思います。そのためにも、みんなで時間管理を意識して、もっと余裕を生み出せるような職場にしていきたいです。協力の質を上げることで、病棟として看護の質が向上できると思っています。

新人時代は仲間を知る期間。人間関係を先入観で決めずに取り組むことの大切さを学んだ。

地域包括ケア病棟

 
看護師になって12年になりますが、看護師になったのは母親の影響が大きいと思います。私の母も看護師で、子どもの頃はよく母の働く病院の行事に参加していました。母が患者さんと笑いながら楽しそうに話している姿、患者さんの笑顔で嬉しそうな表情の母を見て、「仕事って大変なはずなのにこんな瞬間があるっていいな」と思っていました。その後、故郷の新潟を出て、進学し、看護師になりました。新人の頃を振り返ると勉強も大変でしたが、何よりも人間関係に悩まされました。私を指導してくれる先輩がきつくて、雰囲気も怖い感じの人だったので、委縮していました。希望した小児科に配属になり、子どもと接するのが楽しかったこと、同期のみんなと励まし合えたことがその時の心の支えでした。しかし、そんな怖い先輩も、関わっているうちにとても仲良くなっていきました。新人の頃は仕事を覚える期間でもあるのと同時に、仲間のことを知る期間でもあります。そして、先輩が私を知る期間でもあります。技術、経験、考え方も違って当たり前です。先輩との関わりをちょっとした先入観だけで決めずに仕事に取り組めてよかったと思いました。不思議なことに、この歳になって、あの怖い先輩ともう一度一緒に働きたいと思うようになりました。

対等に接すること、不快な思いをさせないこと。患者さんと良い関係を築くことを大切にしたい

この病院に転職して既に7年目を迎えます。前の病院では、スタッフ同士の関わりが少なかったのですが、この病院ではスタッフ同士がしっかりコミュニケーションを取ることに驚かされました。とても、働きやすい職場です。そして、それまで経験のなかった大人の患者さんを担当するようになりました。子どもの患者さんと違い、会話をしながら看護ができます。しかし、反応は、子どもと違い必ずしもストレートではありません。仰っていることと本音が違ったりします。地域性、家族との関係、生活習慣など様々な事情を鑑みながら看護するのが難しいところですが、その難しさがだんだんと楽しくなってきました。今の職場に配属になり、患者さんの退院後の生活を見据えた看護を経験するたびに、どう進めていけばいいかもわかってきました。看護をする上で、大切にしていることは、対等に接することと不快な思いをさせないことです。対等に接するというのは、医療をわかっているという専門家として上から目線の指導を決してしないことです。好き嫌いの感情が芽生えても、嫌いにならない努力を怠らないことも意識しています。そして、基本的なことですが、髪や爪などの身だしなみに気を付け、言葉づがいも敬語やフランクな言葉をうまくブレンドしながら、不快な思いをさせずに、最も良い関係性を保つためにどうすればいいかを意識して関わるようにしています。

後輩と共に成長する姿勢を持ちながら、患者さんに笑顔になって頂く瞬間を作っていきたい

これまでの職場ではベテランの看護師たちが多い職場だったので、指導的立場を経験したことがありませんでした。教育委員として研修の機会などで経験年数の少ないと接する程度でしたが、今後は後輩の指導をしっかりとやってみたいと思っています。性格的には、ビシッということができない、叱ることが苦手だと思います。だから、無理にそういう風に指導するのではなく、先輩風を吹かさず、対等に接していけるようにしたいと思います。ただ、伝えるべきはしっかりと伝えられるように、もっと広い視野で物事を捉え、深く考えられるように知識やスキルを身に着けていかなければならないと思っています。特に、患者さんとの接し方と関わり方に正解はありません。磨いても、磨いても、自分はまだまだだと感じるだろうと思います。一緒に成長していく気持ちを持って、後輩たちも接していきたいと思います。母が患者さんと楽しく会話していたように、根本には私も患者さんと楽しく会話をし、患者さんに笑顔になって頂く瞬間をたくさん作っていきたいです。

勤め続けられるのか不安だった私が、リーダー業務を始める頃に看護の楽しみを見出せるようになった


透析室

 
私の母は少し体が弱く、よく入院していました。親戚の人たちから、「いつかはお母さんの世話もしないといけないから、看護師という職業がいいのではないか」と勧められ、高校生になり看護科に進学していました。看護師に憧れてなったというより、周りに勧められてなってしまったというのが本当のところです。今、21年目を迎えて、振り返るとこの仕事に就けて良かったと思っています。ただ、新人の頃は、ふがいない気持ちでいっぱいでした。できないことが多く、役に立っていないという気持ちで、こんな状態じゃ勤め続けられないと思っていました。しかし、徐々に一人でできることが増えていき、2年目から3年目になると、他の人の手を借りることなく、だいたいのことはできるようになっていました。リーダー業務をやり始める頃には、自分自身の業務だけではなく、スタッフを仕切ることもできるようになり、全体を見ることができるようになったことで、看護師の仕事に自ら楽しみを見出せるようになってきました。

「プロなんだから察してほしい・・・」。五感をフルに使い、配慮を忘れない看護を大切にしたい

患者さんは思いをいつも的確に言葉にして下さるとは限りません。看護をする上で大切にしていることは、表情やしぐさを読み取れるように、五感をフルに使って観察することです。透析室で勤務をしていますが、透析を受ける患者さんは、太い針を2本ずつ穿刺します。それは、とても痛い処置で、麻酔のテープを使いますが、ほとんど気休めにしかなりません。そして、3~4時間の間、ベッド上でじっとしていなければなりません。そういう処置を受ける患者さんが週3回程度来られます。とても辛い治療です。ある日、患者さんに「あなたはプロなんだから、自分から察してほしい」と言われたことがあります。ハッとさせられました。そして、「難しいことだけけれど、その通りだ」と納得し、努力をするようになりました。例えば、簡単なことでいうと、患者さんが布団を掛けなおしたら、寒いのかな?眉間にしわを寄せたら痛いのかな?と・・・「寒いですか」、「痛みますか」とこちらから察して、言葉にして、患者さんに問いかけてあげる配慮のことだと思いました。患者さんは辛い治療をしているので、私たちに気を遣わせず、むしろ、私たちが常に五感を使って配慮を忘れずケアするということを大切に看護したいと思っています。

私たちとの関わりを楽しみにしてもらい、少しでも治療の辛さを和らげる存在になりたい

この仕事をしていると「ありがとう」と仰って頂く機会が多く、とても励みになる瞬間がたくさんあります。中でも、「今野さんが来てくれてよかった」と言われる時は、本当にうれしい気持ちになります。週に3回ほど通われる患者さんとの信頼関係が築かれていないとこのような言葉は頂けないと思うので、自分の患者さんとの関わりに喜びを感じるだけでなく、仕事に対する自信に繋がります。だからこそ、太い針をできるだけ痛くないように、辛くないように、また、失敗をしないようにするにはどうしたらいいのかということについてが、私の知識や技術を向上させるのが当面のチャレンジ目標です。そして、患者さんにしっかりと向き合い、痛くない処置ができるように工夫していきたいと思います。将来的には、うまく時間を作って、認定看護師を目指したいとは思っています。患者さんは透析そのものが嫌だと思うのは当然ですが、どうせ病院に来なくてはならないのなら、私たちとの関わりを楽しみにしてもらい、少しでも治療の辛さを和らげることができる存在でありたいと思います。

スタッフ同士が声を掛け合い、気に掛け合い、適度にリラックスした状態で仕事ができるようしたい

主任

 
今、主任という立場にいて、職場づくりを考える上で心掛けていることは、少なくともスタッフ同士がギスギスしないような雰囲気で働けるようにすることです。来院された患者さんは、診察、処置、入院・・・と様々なシーンで不安を抱えられているので、私たち看護師が良い状態で接することができるようにするためには、スタッフ同士が協力し合えることが大切だと考えています。だから、私はスタッフに対して笑顔で明るく接し、スタッフ同士が声を掛け合い、気に掛け合い、適度にリラックスした状態で仕事ができるように工夫しています。そのためには、その日、その時間、スタッフの状態を理解し、一緒に課題について考え、フォローするようにしています。ただ、何でもかでも手伝うというのではなく、見守ることも本人の成長を考えれば大事なことと認識しています。特に、経験の浅いスタッフについては、足りていないところに目が行きがちですが、まずは「それでいいんだよ」というところを見つけて、評価し、患者さんと関わる中での変化を共に感じ、自分の看護について充実感や達成感を感じてもらえるように配慮しています。その上で、自身の抱える課題に対して自ら意識して、取り組み、看護の楽しみを見つけられるように成長を応援していきたいと考えています。

認知症の患者さんのそれぞれのこれまでを知ることで、良い関係性が築ける認知症看護の喜び

認知症看護の認定看護師になって1年が経ちますが、周囲からもその専門家という眼差しで見られますし、私自身もしっかりとした仕事ぶりを見せないといけないなという風に思っています。十数年、外科領域で看護をしていましたが、今後のキャリアを考える上では、認知症をテーマに看護を考えたく、現在は、地域包括ケア病棟でチャレンジを続けています。患者さん、特に高齢の方が自分らしく過ごせるにはどうすればいいかというのがテーマです。認知症の患者さんと接することで学んだのは、患者さんと自分との間にはまるで鏡が存在するかのようです。私がイライラすると患者さんもイライラし、私が真摯に向き合うと患者さんも真摯に向き合って下さるということが多々あり、常に自分の看護がダイレクトに試されるのが認知症看護の興味深いところです。これまで、私は、患者さんに失礼なことをしていたのではないかと思うことも多々ありました。風呂に入ったり、体を拭いたりする行為は清潔にすることが目的なので、ご本人が嫌がっても何が何でもしなければならないと認識していました。しかし、それは、必ずしも、良い行為とは言えないと。看護をする上で患者さんをよく知ることが大切です。患者さんは認知症になる前は、何をしていた人か、どういう言葉をよく使っていたか、どういう癖があるのかを知っていくと、例えば、私たちが徘徊と認識していることも、実は徘徊ではなく、そのように行動する明白な理由があることがわかり、患者さんと私たちの関係性に変化が出てきます。一人ひとりの患者さんは皆違うので大変ですが、一方でそこに着目して関わることで良い関係性を感じることができるとこの仕事に大きな喜びに遭遇します。

スタッフの良い経験を共有して、地域包括ケア病棟の看護のやりがいをもっともっと高めていきたい

患者さんが自分らしく過ごせるということについては、スタッフも一生懸命考えて看護してくれています。患者さんが何を以って自分らしく過ごせるのかという評価については、とても難しいので一概に決めることはできませんが、最も大切なことは、スタッフと患者さんが良好な関係性の中で、楽しくやり取りしているとだと思っています。そういう様子を見るとスタッフにとってもこの仕事を通じて充実感を感じているのだと感じることができ嬉しい気持ちになります。高齢の認知症患者の方は、トイレに行ったきり帰ってこられなかったり、食事についても間違って隣の方のものを食べてしまったり、また、点滴をしていても針を抜いてしまったりと、様々なことがありますが、それらに対して問題視し、否定をするのではなく、対応の仕方をそれぞれのスタッフが、それぞれの患者さんに対して工夫することで、患者さんが穏やかに過ごせるようになります。穏やかに過ごせるということは、患者さんが抱く違和感が少ないということだと思います。そんなスタッフに対して私は評価したいですし、それぞれの良い経験を共有し、職場で活かし合い、地域包括ケア病棟の看護のやりがいをもっともっと高めていきたいと思います。

不安な状態の患者さんに誠心誠意関わることができ、生きる力、活きる力を得るのが看護の魅力


化学療法室
緩和ケア認定看護師


 
私は、子どもの頃から苦しんでいる人を見ると助けたいという気持ちに突き動かされるところがありました。正義感というほどのものではありませんが、例えば、中学生の頃、いじめられている友達がいると助けに入ってしまい、自分も一緒にいじめられるというようなこともありました。また、自分は何をしてもダメ、何も取り柄がないとコンプレックスが強いのは今も変わりません。でも、自分のことをわかってくれる人に巡り合うととても嬉しい気持ちになることに気づき、自分は人の話を聴くのが好きなので、その強みを活かし、相手から見て「わかってくれる人になりたい」と思うようになりました。看護師になろうと思ったのも、看護師をこうして続けているのもきっとそういう想いがベースにあるのだと思います。看護師の仕事ほど、普通に考えると当たり前のことをしているのに、こんなにも感謝される仕事はないと思います。それは、患者さんが不安な状態にある時に関わっていることが大きいと思います。その不安な状態の患者さんに対して、私たちは誠心誠意関わることができる機会があるのがこの仕事の魅力だと思います。仕事を通じて逆に生きる力、活きる力をもらえる素晴らしい仕事だと思っています。

がん患者の方の生きざまを受け止めることで、前向きな気持ちで生きてもらえる看護がしたい

私の看護師人生に大きな影響を与えたのは、がん患者さんとの出会いでした。カラダの痛み、吐き気、薬剤の投与などは治療に関することについては概ね答えることはできますが、「私がなぜがんにならなくてはいけないのか」という問いかけには適切に答えることができなかったことが私にとって大きな衝撃だったのです。それからの私は、がん患者さんの辛さを少しでも取り除きたいという想いにかられ、認定看護師の資格を取るべく勉強するだけでなく、死生観について考えるようになったり、コミュニケーションの方法など時間さえ見つかれば学ぶ機会を作っていました。患者さんは初めから私にすべて打ち明けません。ぽつりぽつりと話されていくうちに、生い立ち、価値観、ライフレビュー、職業のこと、日本を支えるような大きな仕事をしたこと、川崎の街への想い・・・を語り始められます。死は怖い、しかし、怖がっていても死は誰にでもあるものだと認識しされている患者さんに対して、患者さんの生きざまに触れ、受け止めて、寄り添うことで少しでも元気になってもらいたい、前向きな気持ちで生きてもらいたいと思い看護をしています。理想は患者さんと本当に通じ合いたい気持ちですが、少なくとも「わかってくれる人」でありたいと思っています。

私が、スタッフが、がん患者さん同士が、患者さんを「わかってくれる人」になれる環境づくりをしたい

私は患者さんと話をしたり、様子をうかがったりしている中で、いつも感じている二つのことをいつかは実現したいと思っています。一つ目は、患者さんが看護師と気兼ねなくしっかりと話せるスペースを作りたいと思っています。普段は、なんだかんだと人の出入りもありますし、他の人に話を聞かれたりすることも気になりますから、気兼ねなく看護師に話を聴いてもらえないと思っていらっしゃるようです。それを何とかしたいというのが一つ目の目標です。二つ目は、患者さん同士がもっと気軽に話せるスペースを作りたいということです。特に女性のがん患者さんは、お互いの情報交換が活発です。話をすることで同じ境遇の人同士、孤独感から解放され、仲間を感じることができ、やはり気持ちを前向きにすることができるようです。がん患者さんの不安は、私たちでわかるはずもない不安だと思います。でも、私が、スタッフが、同じ病を持つ者同士がそれぞれ「わかってくれる人」になり合える環境づくりにチャレンジしてみたいと思います。

先輩や仲間がとてもよくしてくれ、2年目には患者さんに寄り添って考える余裕が生まれてきた

患者サポートセンター
入退院支援室


 
高校時代、進路選択をする中で、理系の中で最も理系を感じないという理由で看護学を選択したのがきっかけで看護師の道を歩むことになりました。看護学を学ぶ深い動機がなかった私も、大学でグループワークや実習という機会を得て、次第に意欲を持つようになっていました。実際に看護師になると覚えることが多いのとすぐには手際よくできないので大変苦労しました。脳神経外科病棟に配属になってはじめの頃は寝たきりの患者さんに対して病態と介助に目が行きがちで、看護師をしているという実感を得られずに時が過ぎていきました。ラッキーだったのは、先輩や仲間がとてもよくしてくれたことだと思っています。だから、一通りの仕事も覚えられ、2年目を迎えようとした頃には患者さんに寄り添って考える余裕が生まれてきたと思います。患者さんとの関係性の中で、どういうケアをするのが適切なのかを考えることはとても楽しいことで、自分が考えたことで事がうまく進み、患者さんが直接喜んで下さる姿を見ることができた時に、とてもやりがいを感じるようになっていました。もちろん、病状が良くなる人ばかりではなく、悪化していく人もいますが、そうであっても、何ができるかを考えることに充実感を感じていたと思います。

「あなたのための時間」として、患者さんの話をゆっくり、じっくり聴いて、向き合いたい

看護をする上で大切にしていることは、患者さんに声を掛けてもらいやすい雰囲気を自然に醸し出すことです。たとえ忙しい時でも、忙しくしていると思われないようにすることを心掛けています。患者さんやそのご家族は、意外と忙しそうにしている私たちに気を遣われていることに気づきました。私たちは遠慮なく声を掛けてもらえばいいのにと思っていますが、声を掛ける側からすれば、患者は自分一人でないからと躊躇されます。患者さんにしっかりとした対応をするためにも、声が掛けられやすいようにするのがタイムリーなサービスにもつながると考えています。そして、患者さんは、病気のことだけでなくそこから派生するたくさんの不安や心配事をお持ちです。そんな患者さんに、私はゆっくりと話を聞いて力になりたいと考えています。聞いてくれるだけで有難いと仰る患者さんもいます。相手を否定せず、特に助言もせずに一通り聞いているうちに、解決とまでは行かなくても、自身で折り合いをつけ、納得し、元気になる方もいらっしゃいます。急性期の病棟ではなかなかそうはいかない現実があるので、病院全体として考えた時にも、今の部署で実践している看護はとても大切だと感じています。「あなたのための時間」として、患者さんの話をゆっくり、じっくり聴いて、向き合うようにしています。

多職種とのつながりを大切にし、患者さんの心境を理解できる看護を提供していきたい

私は、小さな子どもを育てながら仕事をしているので、子どもに対してもしっかりと向き合っていきたいと考えています。そして、職場はそれを考慮し、残業しなくていいように働かせて頂いています。とは言え、子どもが成長し、大きくなっても看護師を続けていきたいので、私自身もまだまだ成長していきたいという欲はあります。まずは、今の部署でしている看護をもっと深めたいと思います。一人ひとりの患者さんの話をしっかりと聴き、看ることから始め、入退院支援をしっかりと考え、質を高めていきたいです。また、いずれ病棟勤務の機会を得ることができた時には、そういう経験を活かせるようになりたいと思います。患者さんとお話をすると、やはりご自身の心境を知ってほしい、誰かに聞いてほしいと思われていることを感じます。とにかく、今は、今できることを最大限に頑張り、せっかく多職種連携の要となる部署にいるので、連携のモデルケースとなるよう、お互いのつながりの大切さを意識しながら、患者さんの心境を理解し、居心地の良い看護を提供していきたいと思います。

どんなに忙しくても、患者さんが遠慮せずに声を掛けられるような雰囲気をつくり出したい

ナースエイド(3階南病棟)

 
私は、社会人になった頃は一般事務の仕事をしていましたが、何か手に職をつけたいと思っていました。そんな時に、大好きだった祖母がなくなり、もっと一緒に過ごしたかったなあという思いと、ちょうど時代も介護が注目される時代になっていたので、24歳の時にヘルパーの資格2級を取得し、介護の仕事を始めました。その後、介護福祉士の資格を取得しました。私は、常々、高齢者の手助けになりたいと思って仕事をしています。身体的なサポートだけでなく、ご家族には及びませんが精神的なサポートも大切にしています。患者さんと話していくうちに、立場が逆転しているんじゃないかと錯覚するくらい、患者さんが私たちの話を聴いて下さり、また、いろいろなことを教えて下さり、労って下さいます。ホントに有難いと思うので、「いつもありがとうございます」と答えると、患者さんが明るく元気になっていく様子を見るにつけ、患者さんは単にケアされたいのではなく、役に立っている自分に喜びを感じられているんだなと思えるようになりました。昨年から、急性期の病棟に異動になりました。これまでとの仕事の進め方との違いに戸惑いもあり、まだまだ覚えなければいけないことはたくさんあり、勉強中です。これまでの療養型と違い、私が患者さんを見て「痛そう、苦しそう、つらそう」と感じるような状態の方ばかりです。何かをお願いしたそうな患者さんに、「どうされましたか」と尋ねても、「忙しそうだから後でいいよ」と言われることがあります。また、お声掛け頂いた時に「忙しいのに呼び止めてごめんね」と仰る方もいます。この経験は「こんなに痛そう、苦しそう、つらそうにされているのに嫌な顔一つせずに私たちにこんなに遠慮されているのだ」と異動したばかりの頃に感じた衝撃的な出来事でした。そして、とても考えさせられました。それからの私は、どんなに忙しくても、患者さんに遠慮せずに声を掛けてもらえるような雰囲気をつくり、落ち着いた感じで仕事をするように心掛けています。このように、私の仕事はたくさんの気づきが溢れる中で、常に学べ、自分を成長させてくれる機会があります。