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病棟1階のフロアはわたしにとっての『とっておきの空間』

看護管理室
十枝内 綾乃

 看護部長になり、看護の現場から離れた私にとって、日々のスタッフのナラティブが鋼管病院の看護を感じる手段となっています。そんな、間接的な看護でも多くの喜びや感動を共有できますが、唯一、直接的に看護実践が出来る機会が私にもあります。それは、看護部長室からトイレまでの数十メートルの道のりでの物語です。
 朝8時過ぎの病棟1階のフロアでは、不安げな表情の患者さんに多く出会います。私の『とっておき』はそんな患者さんにいち早く気づき、声をかけることです。声をかけられたときの、驚いたようなそして安堵したような患者さんの表情はいつも私を看護の原点に戻してくれます。検査室や受付などの場所がわからず困っておられる患者さんが殆どで、道案内をします。初めての胃カメラで緊張している方、家族が入院したと聞いてあわてて来院された方、それぞれの方に短い物語があります。ほんの短い時間ですが患者さんと会話をしながら歩くひと時を大切にしています。
 患者さんだけではなく、すれ違うスタッフへ声をかけることも同様です。表情や挨拶の声のトーンなどから、少し会話をしたり励ましたり時には笑わせたりスタッフを身近に感じられる瞬間は『とっておきの時間』です。逆に声をかけられ、元気付けられたり励まされたりすることも多々あります。どうやら病棟1階のフロアはわたしにとっての『とっておきの空間』になっているようです。

患者の訴えを読み取り、個別性に合わせた看護をすることを心がけたい

手術室
林 舞乃

 私が普段から実践している看護で心がけていることは、患者の個別性に合わせて声かけや看護をすることです。看護師になって2年目となり、仕事や環境への慣れから毎日の患者への対応の中で毎回同じような言葉をかけ患者に接していました。しかし、ある症例の外回りをさせていただいたことで、基本的な部分であるそれぞれの患者に合わせた対応をする必要があることを改めて実感しました。
 その症例は下肢の手術で、以前の手術で横紋筋融解症を発症したため、脊髄くも膜下麻酔で鎮静をかけずに実施した症例です。これまでの手術では全身麻酔で行う症例につくことが多かったため手術中に患者の意識はなく、患者とは入室時に少し会話を交わす機会しかありませんでした。そのため、局所麻酔で手術中に意識のある患者に対してどのように接すれば良いのかをこの時に考える機会となりました。患者は手術に興味を示していたため、患者にモニターを見える位置に移動させて手術の進行状況を説明したり、患者の疼痛の有無や何か訴えたいことなどを表情から読み取ったり実際に聞いたりしました。
 手術後に患者から「手術中に説明をしていただいてありがとうございました。なかなか見る機会がないので良かったです。」と言っていただき、自分の看護は患者にとって良いものだったと実感でき、患者に合わせた看護をすることの大切さを改めて考える良い機会となりました。その症例後、患者の表情や行動から訴えを読み取り、患者に合わせた看護を提供できるように常に心がけています。
 入室から退室までの短い間で、業務が多くて患者との関わりを疎かにしがちですが、その中でもこの心がけを忘れずに、少しでも手術を安心して受けることができるような看護を実践したいと思います。

丁寧な言葉使い、丁寧に観察を行い、丁寧な対応を!

透析センター
中迎 智江美

 私が看護する上で心がけていることは、できるだけ患者さんとのコミュニケーションの時間を確保し、丁寧な対応をすることである。丁寧な言葉使い、丁寧に患者さんの観察を行い、できる限り患者さんに寄り添うことを心がけている。
 以前、患者さんから「あなたは、とても丁寧にシャントの音を聞いてくれるわね。」「あなたは本当に優しいから、あなたには何でも話せるわ。」「あなたがいるととても安心するわ。」等の言葉をかけていただいたことがある。
 透析室患者さんは透析中、体動制限ある中4時間以上ベッド上で過ごさなければならなく苦痛を感じている方も多くいる。また、循環動態の変動や症状の変化が起こりやすい中で、患者さんの訴えや状態の変化に早期に気づかなければならないため、普段からのコミュニケーションを通じて患者さんの状態や症状を把握していくことが大切であると感じている。しかし、なかなか看護師に声を掛けられず我慢してしまう人や、不安等を表出できない患者さんも多くいる。また勤務をする上で、自分なりに丁寧な対応を心がけてはいるつもりだが、業務に追われ中々余裕がなく対応ができていないことが多々ある。
 今後は、忙しい時にでも、患者さんに遠慮させないよう事前に声かけを行う等の配慮を行い、周りに目を向け全体がみれるようにしていきたい。

術後訪問の件数を増やし、自分の看護観を深めていきたい

手術室
知花 睦

 私が手術室に配属されてから3年になります。手術室では今年度に入り、術前訪問だけでなく術後訪問にも行くようになりました。術後訪問に行く患者さんは条件がありますが、自分の担当した患者さんで気になった方も行くようになっています。間接介助をする機会も多くなり、自分の担当する患者さんへの術前訪問に行く事も増えてきました。
 ある患者さんで何回か手術の経験があり、術後に皮膚の症状が出てしまい今回もそうならないか不安という患者さんがいました。私は先輩看護師や麻酔科の先生から色々とアドバイスをもらい、当日の手術に臨みました。手術が終わり後日、術後訪問に行ったときに患者さんから「今回は皮膚の症状が全くなかった。本当にありがとう」という言葉をいただきました。その時はとても嬉しくてこれが周手術期看護であると3年目にして気づくことができました。
 術後訪問を開始した時には手術が終わった患者さんに対して何を聞いたらいいのか、自分には看護として関わることができるのかと不安でした。しかし、術前・術中・術後の患者さんを通して自分の行った看護は患者さんにとって最善だったのか、もっとできることがあったのではないかと自分の今の状態について振り返りをし、評価を行うことができることを学びました。また、自分が担当ではないが先輩看護師が術中にどのような看護を行い、術後の患者さんがどのようになったかを見ることで、参考にして自分も患者さんを対応しようと感じる機会にもなりました。
今は手術の件数も多く、早期離床・早い退院で術後訪問に行く件数は少ないですが、今後は今よりも術後訪問の件数を増やし自分の看護観を深めていきたいと思います。

適切なサポートをすることで信頼してもらえるよう看護をしていきたい

透析センター
内海 淳子

 気管支肺炎で入院をしていたAさん70歳代男性について振り返りをしたいと思います。月水金透析中、糖尿病、認知症もあり。意思疎通はできますが、どうしていいかわからないときなど怒ることによって、周りに判断をまかせてしまうようなところがありました。歩行時のふらつきがあるため、病室と透析センター間の移動は車椅子を使用していました。喫煙の習慣があり以前の入院では病室で喫煙し注意を受けたこともありました。今回の入院では喫煙しないように説明していましたが、自力歩行で院外まで行き喫煙をしている姿が確認されていました。
 入院後、ADLが徐々に低下し以前ほど喫煙に行けなくなっていきました。入院して数日後に「入院して困っていることはありますか」とたずねると、ぽつりと「つらい。ありがとう。」と話され涙を流しました。普段はわりと拒否的だったりしますが、私は透析センターでの受け持ち看護師としてのかかわりも長く、私には話しやすかったのかもしれません。自由に喫煙できないこと、入院前のように思うようには動けなくなってきたことなど、身体機能の低下を自覚し悩んでおられました。指摘や説得をしても怒るのでわかりやすい説明を心がけ、毎回ご本人の気持ちを聞くようにしました。そうしていくうちに、禁煙については「そんなにつらくない」と話されるようになりました。
 患者には入院前の日常の生活があり、入院中は患者に大きなストレスがかかっている事、今後認知機能の低下や、身体機能の低下は進むと思われるので、将来的なプランも必要なこと等を常に考えながら適切なサポートをすることで信頼してもらえるよう看護をしていきたいと思います。

私を成長させたプリセプティーとの関わりや委員会の仕事

呼吸器科・循環器科病棟(5北病棟)
清 穂乃美

 今年は看護師4年目となり、リーダー業務やCCUなどの重症部屋の看護、委員の仕事やプリセプターなど、今までに比べて自分のやるべきことが増えました。その中でもプリセプターとしてプリセプティーの不安や悩みに気づけるように、また少しでも安心して職場に来れるようにと考え、毎日挨拶や困っていそうなときは声をかけることを意識して行っていました。
 徐々にプリセプティーの方からもわからないことを聞いてくれるようになったり、同じ勤務だと安心すると言ってもらうことができて、すごく嬉しかったです。また患者さんとプリセプティーの関わりを見て、自分が1年目のときのことを思い出すきっかけや、自分の関わりを見直すきっかけにもなりました。プリセプティーが勉強してきてわからないことを聞かれる機会も多く、一緒に勉強したことで理解が深まったことや、新しい知識を身につけられたこともあります。
 3年目のときに比べていろいろな疾患の患者を受け持つことが増え、実際に看護することで新しく身につけられた知識や技術・患者との関わりもあり、とても勉強になった1年でした。委員会も褥瘡委員と救急委員では褥瘡処置や創傷処置、ドレッシング材の選など勉強になることばかりで、BLS・ACLSの振り返りにもなりました。今後も日々の患者との関わり・看護・業務を大切にしていきたいです。

患者様の訴えから必要としている看護の提供に繋げたい

呼吸器科・循環器科病棟(5北病棟)
遠藤 さち

 今年1年を振り返ると、今年度から新しい職場になったことで日々の業務を覚えることや、新しい環境に慣れることに必死だったように感じる。新しく覚えることが多かったため、分からないことがたくさんあり、多くのことを質問し教えて頂いたり、他のスタッフに助けてもらったりする場面が多くあった。
 そんな中であるとき、「遠藤さんは声をかけやすくてありがたい」と言ってもらえたことがあった。助けてもらってばかりの自分が、同じ現場で働くスタッフの助けに少しでもなっていると感じることができ嬉しく思った。思い返すと患者様や患者様のご家族からも、話しやすい、顔をみると安心する、などと時折言ってもらえることがあった。
 声を掛けやすい事はとても小さなことではあるが、患者様やその家族の訴えが聞ける一歩目でもあり、同じ職場で働くスタッフ間では円滑なコミュニケーションや情報共有ができることにも繋がる大切なことだと感じた。患者様にとって自分が声を掛けやすかったり、頼みやすかったりする存在であるだけでなく、その訴えから患者様が必要としている看護の提供に繋げることができるよう今後努力していきたい。

信頼関係の構築の大切さを感じ、関わりについて考える機会

呼吸器科・循環器科病棟(5北病棟)
宮田 真紀

 日々の関わりや仕事をしていく上で、看護師と患者さんやご家族との信頼関係の構築の大切さを感じ、自分自身の中で関わりについて考える事があります。病棟の忙しさに追われ、日々の業務が業務化してしまい、患者やご家族との関わりが薄くなることがあります。
 その中でも、何気なく行っていた食事介助の場面でふと『どうもありがとう。こうやってタイミングをみて食べさせてくれたり、(ゼリーを)細かくして工夫してくれたり考えてくれる人は少ないよ。食べやすいよ。忙しいから時間がないのもわかるんだけど相手の立場に立って考えてくれる人は少ないね。』と急に言われました。この患者さんは呼吸苦があり中々一気に食べられる方ではないため一口毎に休憩をいれて食事摂取されている方でした。そのためいつも私は、咀嚼による疲労感を軽減させるためにゼリーであっても細かくしたり、一口入れるたびに5呼吸程度休憩を入れてから呼吸状態確認した上で声掛けを行うようにしていましたが、この何気なく行っていた行動一つでこちら側の意図を読み取り感謝されたことに対して私は驚きました。そのあとも介助に入ったタイミングで体調が良いと完食する事が出来た際には、以前に比べ食べられていることを伝える度に『そうだね。今日は調子がいい。皆さんのおかげで良くなりました。あとあなただから今日食べられたよ。ありがとう。』等の感謝の言葉をかけられたりもします。体調によっては摂取できない時もありますが、その時は無理しないよう伝えるようにもしています。
 忙しさによって忘れかけていた関わり方や患者さんとのやりとりの仕方等の大切な事を思い出させられるような場面でした。日々の関わり方一つでお互いに感じることがあるとは思いますが、何気なく行う事だけではなく、患者さんの事を考えて個々にあった行動を行い、患者さんとのよりよい関係性を築いていけるように心がけていきたいと思いました。

ともに考えて、より良い方向に向かうように関わりたい

検査科
相沢 典子

 内視鏡室では、検診や経過観察、症状の有無、様々な年齢、ADLの自立された方から、介助を必要とする方、様々な状況の方が検査に訪れます。事前の情報収集で、年齢や検査コメント欄から検査の経緯、定期的に検査をされている方か、初めての方か、抗血栓薬の内服の否か、アレルギーの有無等を把握し問診につなげます。
 検査科の看護目標は、安心、安楽、安全に検査が受けられるように援助することです。初めて内視鏡検査を受ける方は、緊張の面持ちで問診を受けます。その場合は、検査の流れや体位、検査中の注意点をイメージできるように説明し、いかに不安を和らげて検査に臨めるかを考え援助します。
先日、60代の女性が検査に訪れました。この方は鎮静剤を使用する胃内視鏡検査、1年前の看護記録から検査時の様子を読み解くと、関わったことを思い出しました。関節リウマチで手指や膝、足趾に変形があり、膝の手術歴もあり杖歩行でした。内服薬の副作用で痰が出やすく、咽頭麻酔の前から痰がからんでいました。「杖でゆっくり歩行だったけど、ADLは変わらないかな」と思いながら、待合室に行きました。「看護師の相沢です」と声掛けすると、「あー、あなたねー。居るかなーって思っていたのよー。」と笑顔で返してくれました。中待合室への移動はゆっくりの徒歩で、「あれから大変だったのよ、入院して手術して」と経過も話されました。「薬飲んでるから、痰がよくでるのよ」会話をしながら問診を終えて、バスロ水、咽頭麻酔を飲みました。血管確保では、「これはチクチクするのよね」、「ではここにしましょう」と相談しながら穿刺、固定しました。
 タイアウトし、検査室に入室。左側臥位の体位では、「ここにあった方がいいな。うん、この高さやね。」背部と膝下に枕とタオルで安楽体位をとりました。鎮静を始め、内視鏡が挿入されると、途端に痰がらみがあり口腔内の痰を吸引し誤嚥しないようにしました。内視鏡が抜去され、鎮静剤の拮抗薬を投与すると、数分で眼を開けて覚醒しました。「あー、終わった?先生ありがとうございました。」回復室へ移動し、1時間の観察時間を経て、安堵した様子で娘さんと帰っていきました。
 私の看護の目標は、ともに考えてより良い方向に向かうように関わるということです。内視鏡室では、対象との関わりが時間的に短く、浅く、日々看護を深く実感する場面がそう多くはありません。今回の関わりは、まさにともに考え対象の思いも引き出し、お互いの目標を達成する事ができました。また、看護を実践し、励みとなる貴重な経験でした。

患者の気持ちに寄り添いたい

脊椎外科病棟(4北病棟)
北田 美由紀

 今回のレポート課題について、昨年の出来事などを振り返ってみたところ、患者の苦しみ、そしてその後からの喜びへの変化について具体的に接し、自分も喜びと感じた出来事であったため、それについて記載していきたいと思う。
 患者はT氏70歳代女性、腰椎圧迫骨折で体動困難となり入院された。もともと一人暮らしで自立されており、キーパーソンは娘である。一旦他病棟で入院され数日後に当病棟へ転入された。入院時より、疼痛以外でも看護師の対応や療養環境などに対して訴えがあり、その都度対応しているという情報が看護記録や申し送りであった。当病棟へ転入してからも、「痛い!何度も同じこと聞かないで!」「こんなにうるさい部屋は初めて」「1週間もいるのに何もしてくれない。こんなところは初めてよ」等、時には怒鳴るような口調で訴えが多い状況であった。そのような中、私はたまたまその約1週間前、「信念対立解明アプローチ」をテーマにした外部研修を受けてきていた。その中で、患者が病気や入院という体験によって自分自身の信念対立が起こり、今までなら常識で理解できることが、非常識と受け止めて怒りに変わってしまう、ということを思い出した。目の前にいるT氏はまさにこのような状況ではないか、今こそ研修で受けたフレッシュな頭でこの患者と対応していこう、と考えたのである。具体的に何をどうしようということだけでなく、“今T氏は、突然の入院と痛みで動けず苦しい思いをしている。だから本来のT氏ではなく、つらい状況で切羽詰まった叫びなんだ”と、私はT氏状況を理解する気持ちを持ち続ける努力をしてきた。すると不思議なことに、自分のT氏に対するネガティブな気持ちはほとんどなく、もっと広い心でみていきたいと思える自分を自覚できたのである。その後T氏は入院を10日で手術が行われ、徐々に回復し術後約10日で歩いて退院されたのである。退院2日前にゆっくり話をする時間があり、その時T氏は「あの時は本当につらかったわ。もうどうなるのかわけがわからなくて。こんなに歩けるようになってよかった。すごくたくさんひどいこと言って迷惑かけて本当にごめんなさい。」と手をさしのべてやわらかい笑顔で話してくれたことが印象的であった。まさに、病気、入院という未知の世界に突然に閉じ込められた患者が、回復していくことで本来の姿に戻っていた瞬間を感じ、非常に嬉しく、つい涙ぐんでしまったのである。
 以上が私が体験した嬉しかった出来事である。長年看護師をやってきたが、私も一人の人間であり、患者の言動でイライラすることは多々あり、心が萎える事もしばしばある。学生時代から学んできたこと“患者の気持ちに寄り添う”という至ってシンプル且つ難しいテーマに、体力気力が続く限りこれからも向き合っていきたい。