先輩や仲間がとてもよくしてくれ、2年目には患者さんに寄り添って考える余裕が生まれてきた

患者サポートセンター
入退院支援室


 
高校時代、進路選択をする中で、理系の中で最も理系を感じないという理由で看護学を選択したのがきっかけで看護師の道を歩むことになりました。看護学を学ぶ深い動機がなかった私も、大学でグループワークや実習という機会を得て、次第に意欲を持つようになっていました。実際に看護師になると覚えることが多いのとすぐには手際よくできないので大変苦労しました。脳神経外科病棟に配属になってはじめの頃は寝たきりの患者さんに対して病態と介助に目が行きがちで、看護師をしているという実感を得られずに時が過ぎていきました。ラッキーだったのは、先輩や仲間がとてもよくしてくれたことだと思っています。だから、一通りの仕事も覚えられ、2年目を迎えようとした頃には患者さんに寄り添って考える余裕が生まれてきたと思います。患者さんとの関係性の中で、どういうケアをするのが適切なのかを考えることはとても楽しいことで、自分が考えたことで事がうまく進み、患者さんが直接喜んで下さる姿を見ることができた時に、とてもやりがいを感じるようになっていました。もちろん、病状が良くなる人ばかりではなく、悪化していく人もいますが、そうであっても、何ができるかを考えることに充実感を感じていたと思います。

「あなたのための時間」として、患者さんの話をゆっくり、じっくり聴いて、向き合いたい

看護をする上で大切にしていることは、患者さんに声を掛けてもらいやすい雰囲気を自然に醸し出すことです。たとえ忙しい時でも、忙しくしていると思われないようにすることを心掛けています。患者さんやそのご家族は、意外と忙しそうにしている私たちに気を遣われていることに気づきました。私たちは遠慮なく声を掛けてもらえばいいのにと思っていますが、声を掛ける側からすれば、患者は自分一人でないからと躊躇されます。患者さんにしっかりとした対応をするためにも、声が掛けられやすいようにするのがタイムリーなサービスにもつながると考えています。そして、患者さんは、病気のことだけでなくそこから派生するたくさんの不安や心配事をお持ちです。そんな患者さんに、私はゆっくりと話を聞いて力になりたいと考えています。聞いてくれるだけで有難いと仰る患者さんもいます。相手を否定せず、特に助言もせずに一通り聞いているうちに、解決とまでは行かなくても、自身で折り合いをつけ、納得し、元気になる方もいらっしゃいます。急性期の病棟ではなかなかそうはいかない現実があるので、病院全体として考えた時にも、今の部署で実践している看護はとても大切だと感じています。「あなたのための時間」として、患者さんの話をゆっくり、じっくり聴いて、向き合うようにしています。

多職種とのつながりを大切にし、患者さんの心境を理解できる看護を提供していきたい

私は、小さな子どもを育てながら仕事をしているので、子どもに対してもしっかりと向き合っていきたいと考えています。そして、職場はそれを考慮し、残業しなくていいように働かせて頂いています。とは言え、子どもが成長し、大きくなっても看護師を続けていきたいので、私自身もまだまだ成長していきたいという欲はあります。まずは、今の部署でしている看護をもっと深めたいと思います。一人ひとりの患者さんの話をしっかりと聴き、看ることから始め、入退院支援をしっかりと考え、質を高めていきたいです。また、いずれ病棟勤務の機会を得ることができた時には、そういう経験を活かせるようになりたいと思います。患者さんとお話をすると、やはりご自身の心境を知ってほしい、誰かに聞いてほしいと思われていることを感じます。とにかく、今は、今できることを最大限に頑張り、せっかく多職種連携の要となる部署にいるので、連携のモデルケースとなるよう、お互いのつながりの大切さを意識しながら、患者さんの心境を理解し、居心地の良い看護を提供していきたいと思います。