患者さんのニーズを理解し、自分で考えるようになり、看護師の仕事に楽しみが増えた2年目

入退院支援室

 
実は、私は看護師になろうと強い意志があったわけではなく、医療関係の中で自身が進学できそうな条件の中に看護師があったという理由で看護学校に進学しました。進学後も特に授業も面白いと感じていませんでした。そんな中、実習がはじまり実習での患者さんとの関わりの中で、この仕事の魅力に目覚めました。実習で担当した患者さんにはもともと強い不満があり、家族も実習生の介入を認めないという状況で大変難しいケースでした。この患者さんと関わることを通して、誠実に関わるとはどういうことか、学生ではあるが自分がやれることは何かを真剣に考える経験ができました。最終的には、患者さんが「学生だけれど、接してくれてよかった」と仰って下さり、心を開いてもらう糸口を知ることができたと思いました。そんないい経験をし、卒業後、看護師になりましたが、やはり本職になると仕事の量が一気に増えるので、業務を覚えること、こなすことが精一杯で、その人にとって必要なことを考えながら仕事をする余裕はありませんでした。1年、2年と経ち、先輩たちから認められて行く中で、患者さんのニーズを理解できるようになり、次第に発言する機会も増えてきました。患者さんのことを知り、どうすればよいかを考える余裕ができ、自分で考えることが楽しくなってきました。

患者さんに人として関わり、意思を尊重し、寄り添い、誠実さを大事にして看護をしていきたい

この仕事をする上で大切にしていることは、やはり、誠実さを大事にすることです。誠実さを大事にするということは患者さんを単に患者さんとみるだけでなく、人として見ることがベースです。そうすると、もっとこの人のことを知りたいと自然に思えるようになりますし、寄り添って考えることができるのです。ターミナルの患者さんで余命1ヶ月から2か月の50代の患者さんを受け持ったことがあります。このまま病院で治療を続けるのか、しかし、そうすると家族に会えない。家で過ごしたい、しかし、家から病院は遠い・・・。どうするか、とても悩まれていました。考えた末に、私は患者の意思をしっかりと聞いてあげる環境を整えることにしました。言葉にすることで考えが整理されていき、気持ちも楽になると考えたからです。長い時で1時間、短い時は顔を見る程度でも話す機会をたくさん作るようにしました。奥様ともできるだけ話す機会を作りました。結局、家で過ごすことを選ばれ、家族と一緒に、好きなところに行き、好きなものを食べることを楽しまれて、お亡くなりになりました。患者の意思を尊重し、それに向き合い、できる限りのことに対して誠意を持って取り組むことをこれからも大事にしたいと思います。

子育て中で大変だけれど、人が苦しい時にそばにいて支援できる看護師を続けていきたい

看護師の仕事の特徴は、人との関わりの中でも、とりわけ人が苦しい時に近くにいて支援することができることではないかと常々感じています。苦しい時は、人が最も辛い時であり、一般にはそのような方に関わる経験はめったに巡り合えません。しかし、これが私たちの日常で、そういう人の近くにいて支援ができるのはとても貴重な経験だと思います。支援していてもうまくいかずモヤモヤする時もたくさんありますが、それでも次にどうすればいいかを考えることに仕事に対する張り合いを感じますし、時に楽しくなる時があります。看護師になって10年を過ぎましたが、今、1歳半の子どもを持つ母親でもあります。今後、看護師としてどんなキャリアを積むかということは、今は、育児中なので考える余裕はありませんが、目の前にいる患者さんに誠実に向き合い仕事をし続けることを当面の目標にしたいと考えています。この病院では上司や仲間に恵まれ、とても働きがいを感じて働いています。最近、病気をしたこともあり、それも考慮の上で、仕事と育児の両立を配慮して頂き、働き続けることができているので、それに甘えることなく、仕事をし続けたいと思います。