初めて入院する心配事の傾聴、納得して入院生活が送れる看護をしたい

4南病棟 白鳥 未来

 入院する人は病気や怪我で治療が必要となり、またそれがはじめての事となると不安や心配事は個人によっても(発達段階によって身体的・精神的・社会的にも)違う。これから行われる治療・処置・痛みを伴うのかなど知らない事が多いからこそ不安が大きくなる。そのため私はその不安、心配事を傾聴して分からないことがないように、患者自身が治療を理解して納得して入院生活が送れるような看護を大切にしている。

 春頃に入院してきた50代男性は初めての入院・手術で、妻に付き添われ入院。妻が居る時は「不安などない、大丈夫。直ぐ終わることで俺は寝てればいいんだから」と、話していたが、妻が帰宅すると不安そうな顔をされ、私の説明で何か分からなかった事があったのか?不安気な顔が気になり、どうしたのか尋ねると、最初は言いにくそうにしていたが、「実際は緊張しているし、何をされるのか、自分は何をしていいのか分からずどうしたらいいのか考えていた。」と話された。「いい年をしたおじさんがこんな事言うのも恥ずかしいから言えなかった。」とも話された。ストレス対処には個人差があり心配事を人に話せる人、話せない人、人からどう思われるのかが心配で本音を言えない人など様々である。初対面の人に自分の心情を話すのにも勇気がいる。

 自分の気持ちを語ってくれたことで、何が不安で心配なのか。わからない事は何か?を手術・入院生活に関する事について患者に確認しながら術前の身体の準備、処置内容、手術室入室から、麻酔からの覚醒時にはどのような状態にあるのか等、具体的に一連の流れに沿って説明した。説明後には笑顔になり、不安気な顔は見られなくなった。手術日は受け持つことが出来なかったが、退院日には受け持ち、その時に「入院日にあなたが担当で良かった、話をして良かった。ありがとう。」と笑顔で退院された。

 この経験は患者の不安気な非言語的状態をキャッチして傾聴姿勢を示したことで患者との良好な関係が築けた嬉しい体験であった。不安や心配事はだれにでもあって、まして初めての事に対して人は不安も大きくて、その不安はこれから体験する出来事を前もって説明を受けて理解していることで不安も軽減する事ができる。私が担当している診療部署は多岐にわたる発達段階の方が入院してくる。入院となった経緯も違うため、個別性に合わせた看護・援助に努めながら初回・再入院に関わらず、不安なく入院治療が送れるように傾聴を大切にしながら関わっていきたい。