経営面、教育面においてやり方次第で成果を見出せるのではないかと思うようになってきた

主任

 
私は、小学生の頃に“命”が話題になり、考えさせられることがあり、姉が看護師であったこともあるとは思いますが、医療の分野で働きたいと考えていました。看護師になって14年目を迎えますが、患者さんとの関わりの中で、私のケアによって、しんどい思いをされていた方が元気になり、「佐藤さんに看てもらえてよかった」などと言われる時にこの仕事をしてよかったと思います。主任になって2年半が経ちますが、はじめの頃は、スタッフとして仕事をしていた頃と比較すると、何かあったら矢面に立たなければならないとプレッシャーを感じる日々でした。実際には、目に見える業務のチェックなどできることだけをしているという感じで、正直に言って日々業務に流されていたと思います。要するに、主任という役割は何なのかをさっぱりわかっていませんでした。しかし、この仕事はやればやるほど深く、経営面においても、教育面においても自分の考え方、やり方次第で成果を見出せるのではないかと思うようになってきました。病棟トップである師長の掲げるビジョンや想いを正しく理解することに努め、看護の質を上げるためには何をすべきか、同時に稼働率を上げていくためには何をすべきかをスタッフの動きを考えながら、自身も主体的に行動していくことが大切だと思うようになりました。例えば、記録を見て、担当看護師がその人らしさを大切にした看護をできているかどうかを確認し、スタッフの育成に積極的に関わっていくといったことも私の役割と認識しています。

育成する側とされる側の良好な関係をつくり、スタッフと一緒に問題を解決していきたい

私が、スタッフの育成で大切にしていることは、それぞれの不満や愚痴を受け止めて、良好な関係をつくることから始めることです。育成と言っても、私がいつも正しい見解を持っているわけではありません。育成で大切なのは、育成する側とされる側のコミュニケーションが円滑に進められ、一緒に問題を解決していくということだと考えています。初めは愚痴であったとしても、それが肯定も否定もできないものであっても、聴いてあげるうちに気持ちが収まり、本人自身で解決の糸口が見いだせ、本人がやる気になり、仕事に取り組むことも多々あります。結果的に、そういうことがスタッフの成長につながる瞬間だと思います。基本的には、患者さんとスタッフの関わり方を見て、あるいは聞いて指導します。スタッフが患者さんとの関わりでうまくいっていない時は、私が患者さんとコミュニケーションを取り、スタッフにフィードバックし、自身で解決できること、他部署との連携により解決できることを考えさせるようにしています。ただ、どんな組織にも、一人では解決できない問題もたくさんあります。また、個人的なことでも、その本人自身が自分で解決できないこともたくさんあります。そういう時は、師長に、あるいは他部署との連携先に相談をし、本人に解決策や方針を示し、経過を見ながら支援していきます。

新たな知識や技能の習得をする機会を創り出し、スタッフの看護の質を持続的に上げていきたい

私の部署は、たくさんの診療領域で構成されており、入退院も多いので患者さんの入れ替わりも激しく、少しあわただしい病棟です。そんな状況の中で、スタッフの看護の質を持続的に上げていくことができる職場にしたいという想いがあります。一言で言えば、「その人らしさ」を尊重する看護の質です。この患者さんにはどう関わればいいのか、あの患者さんにはどうしてあげることが適切なのか、そんなことを言葉にしながら、みんなで解決していこうという雰囲気は今もあります。ただ、社会はどんどん変化しますし、現状に満足せず、新たな知識や技能の習得をする努力を続けてこそ、看護の質を持続的に上げていくということだと思います。全員参加のカンファレンスや、学習会を計画し、参加しやすい環境づくりにも工夫を重ね、スタッフ全ての能力向上を図れるようにするとともに、一人ひとりのキャリアアップを支援していきたいと考えています。