誰にとっても安心でき、心地よく、安全が提供できる場所でありたい

救急外来 主藤 友佳

 入社して3ヶ月過ぎようとしていた頃、日々慌ただしく過ごしていた。そんなある日「よっ、だいぶ調子いいよ。助けてくれてありがとう。あん時はどうなるかと思ったよ。」と前方から手を振り笑みを浮かべ歩いてくる患者。歩行の足取りもしっかりしている。

 とある正午、ふと救急室へ歩いていると顔面蒼白で倒れ込むように駆け込んできた一人の男性。急患であることはひと目でわかった。びっくりしたとともに、「何とかしなくては・・・自分にできることは・・・」と考え、頭の中をフル回転させた。バイタルを取り、検査に回った。相当痛いはずなのに話しをやめない。冷や汗かきながら「俺の病気は何だ?何でこんなに痛いんだ?」と話してくる。不安でいっぱいなのであろう、そんな患者の話を聞くことしか出来なかった。

 救急外来は急性期の場であり、短時間での情報収集と共有、そして迅速な分析が求められる。患者は精神的にも身体的にも苦痛を伴い、心身が不安定な状態では簡単にそれらが増幅してしまう。日頃からそんな状態を一刻も早く解決、緩和したいと思い対応している。日々患者に関わる中で、患者だけでなくご家族、付添の方も不安を抱いている事が多い。そのため声をかけやすい雰囲気作りや積極的な声掛け、落ち着いて話せる環境作りに努め対応している。救急外来での受診が一度きりかもしれないが、「ここ(病院)に来てよかった。何かあったらまたここで診てもらいたい。」と思ってもらえる、誰にとっても安心できる場所、心地よい場所、そして安全が提供できる場所でありたい。そんな場所が自分の職場であったら素敵だと思う。今後はさらに迅速かつ的確な対応ができるように、技術や知識の向上と周囲への気配りや感謝を忘れず、日々頑張っていきたい。