短い時間でもしっかりと介入ができることを経験し、やりがいを見出せるようになった手術室看護

看護師

 
高校時代、ちょうど進路決定の頃、父や姉が病気になることがありました。その時に、何もしてあげられない自分に気づき、人を支えられる仕事に就きたいと思ったのが看護師になろうと決めたきっかけです。看護学生の頃、患者さんへの気遣いのあまり、話し掛けるのが苦手だったのですが、患者さんの生活スタイルや価値観を理解して、どうすれば適切な関わりをできるかを考えるようになってから、コミュニケーションを取るのが苦手ではなくなりました。看護師になってからは、ずっと手術室で働いています。本当は病棟勤務を希望していました。患者さんへの介入がほとんどできないのではないかという先入観があったからです。しかし、術前・術後の関わりの中で、短い時間でもしっかりとした介入ができることを経験し、手術室看護にやりがいを見出せるようになりました。手術室看護は器械出しなど覚えることもたくさんあるので大変でしたが、泌尿器科、外科、整形外科と順に手術に関わっていく中で、約2年のうちに概ねのことは習得できるようになったと思います。

「お疲れさまでした、予定通り終わりましたよ」と声を掛けで、患者さんにすぐに安心を届けたい

手術を控えた、そして、終えたほとんどの患者さんは不安を抱えています。それをいかに軽減し、安心してもらうにはどうすればよいかということをそれぞれの患者さんに対して考えて、関わることを大切にしています。例えば、術後に麻酔をした患者さんが目覚めらたらすぐに、「お疲れさまでした、予定通り終わりましたよ」とお声掛けするようにしています。患者さんは、うまくいったのかどうかが最も気になっているからです。事前説明の際に、手術の予定を伝えますが、あくまで予定なので、患者さんはうまくいくのかどうかが心配でなりません。だからこそ、「予定通り終わりました」という言葉をすぐに掛けて、安心して頂くようにしています。私たちの仕事は、病気やけがで入院される患者さんにとって、手術をしなければならないという不安感がピークの状態での関わりです。手術が予定通りに終わり、病棟に戻り、「無事、終わりました、良かったです」「ありがとうございました」とお声掛け頂いた時に共に喜びを分かち合えるのがこの仕事の魅力だと思います。

患者さんが医師に伝えられないことの代弁者として、看護師視点で疼痛緩和をしていきたい

現在、看護師になった6年目、当院で働き始めて3年が経ちます。新たなチャレンジとしては、術後疼痛管理研修を受講しています。当院の術後疼痛管理チームから声掛けをして頂き、このチームのメンバーになるために全26講義を一生懸命に学んでおり、今年中に修了したいと考えています。このチームでは、術後の痛みのコントロールをし、チームで痛みの程度を管理して、患者さん一人ひとりに合わせた処置や関わりをしていくことが目的ですが、私はこのチームに入ったら、看護師視点で疼痛緩和をしていきたいと考えています。看護師視点というのは、患者さん目線に立って、表情や言葉を読み取っていくことで患者さんと医師の仲介役を果たしていきたいと考えています。つまり、患者さんが医師にうまく伝えられないことの代弁者としての役目があると思っています。そのためには、新たな知識をしっかりと習得していき、これまで以上に患者さんの苦痛を軽減し、安心して頂ける看護師になりたいと思っています。