先輩たちの叱咤激励で乗り越えた新人時代。憧れ場所に立てているということが何よりの励み

看護師

 
私は体育教師をしていましたが、子どもが生まれて仕事から離れていました。助産院で3人目の子どもを出産した時に、助産師の姿を見て、看護学校に進学することを決心しました。はじめは、助産師を目指していたのですが、看護実習で肛門を閉じてストーマを作って療養していた80歳の患者さんのケアをする中で、深い関わりをすることができた後に、「あなたがいてくれてよかった」と言ってもらえたことがその後の私の看護師生活の礎になりました。そして、消化器系での看護を目指すようになりました。卒業後、新人看護師となった私は、学生時代以上に勉強しなければならないこと、多重業務の中で何を優先して仕事をしていけばよいかを常に考えなければならないことなど看護をすることの難しさをひしひしと感じながら毎日を過ごしていましたが、先輩の皆さんが私のためにたくさんの叱咤激励をして下さることで乗り切れました。何よりも、憧れ場所に立てているということが何よりの励みでした。

患者さんに気を遣わせずに本音を引き出し、根っこにある要望に応える看護をしていきたい

私が看護をする上で大切にしていることは、患者さんの言葉にしっかりと耳を傾けるということです。傾けた限りは、要望に応えていきたいと思っています。だから、患者さんとの約束を守ることを大切にしています。言ったことはやる、うまくいかなくてもごまかさないといった当たり前のことを心掛けています。そして、患者さんと関わる時間を自ら作ることも大切にしています。忙しいといった言い訳はしたくないので、バイタルをしながら、一緒に歩きながらとてケアの時間を有効に使うことを心掛けています。実は、事故で入院して患者の立場になったことがあるのですが、痛みがあり氷枕を頼んだ時に、すぐに来てもらえた時とても助かったと感じました。逆になかなか来てもらえない時、看護師さんに気を遣い2度目のナースコールを押せない心理も実感しました。看護師に気を遣うという経験は貴重でした。シャワーやふろに入りたがらない患者さんに「かゆくないですか」、重湯が始まった患者さんに「重湯、美味しくないですか」など気を遣わせずに本音を引き出し、患者さんの根っこにある要望に応える看護をしていきたいと思っています。

元気に退院するための関わりも、末期の方の最後の願いを叶えることも、看護の仕事のやりがい

消化器系で働いているので、離床して元気になって退院していく患者さんの姿を見るのはいつも嬉しい気持ちになれます。最初は気が滅入りへこんでいる患者さんが退院後の生活を具体的にイメージできるように関わっていくことの大切さを実感できるのがこの仕事の魅力であり、やりがいだと思います。一方、末期の患者さんで見取りをしている方には、ご家族の想いも聞きながら、患者さんの想いを叶える関わりを心掛けています。例えば、「一度、家に帰りたい」という願いを叶えてあげられた時は、「この仕事をやっててよかった」という気持ちになれます。今、私には新卒・既卒に関わらず教育する機会があります。その際に、普段からのコミュニケーションは気に掛けています。特に、メンバーの仕事をよく観察して、オーバーワーク気味のスタッフに声を掛けるようにしています。また、私が忙しすぎる人と思われないように心掛けています。ちょっとしたことでも気軽に相談できるような雰囲気を作っていきたいと思っています。それは私の成長機会でもあり、そんな関係性を作って、メンバーも成長してくれて、看護の仕事を続けてくれたら嬉しいと思っています。