患者様をよく観察し、予測をたてて看護を提供したい

透析センター 今野美登利

 私が普段看護するうえで意識していることは、患者様をよく観察し予測をたてて看護をすることです。私が新人の頃、先輩看護師から「患者様の気持ちや行動を予測して、先回りできるような看護をしなさい。患者様がナースコールを使わなくても良い看護をしなさい。」と指導されました。例えば患者様に点滴を行った時は、滴下速度や残量・刺入部観察はもちろんのこと、点滴の後は尿意が起こる事も予測して環境整備や排尿誘導を行うのです。患者様のこれから起こり得る行動や思いを予測し、看護師側からアクションを起こす事で転倒等の事故防止や、ナースコールで排泄を知らせる羞恥心に配慮することができるのだと学びました。

 透析室はワンフロアに患者様とスタッフがいる環境なので、基本的にはナースコールは使用していません。このような環境で、患者様をよく観察し予測をたてて看護することはとても重要であると感じています。透析中は患者様がスタッフに気兼ねなく声を掛けられるように常に巡回を行っていますが、患者様がスタッフに遠慮して声をかけづらい事もありますので、患者様の表情や仕草をよく観察し、眉間に皺がよっていたりどこかさするような動作があれば痛みの存在を予測して「どこか痛みますか?」などの声をかけるようにしています。病棟では患者様のそばで常に観察して援助することは難しいですが、透析室ではそれが可能です。その環境をいかし、患者様が安心して透析を受けられる看護を提供できるように努力しています。

 今後は更に患者様の満足度が高まるような看護の提供のために、患者様の心理理解を深められるような文献学習などを行いたいと考えています。